最近、ホテルや旅館等の公式サイトを見ると、『公式サイトからの料金が一番安くお得です(ベストレート保証)』などと書かれていることが多いのですが、このベストレート保証ってほんとうに最安値な宿泊料金なのか疑問に思うことってありませんか?
ベストレートとは?
ベストレートとは、ホテルオフィシャルサイト(公式サイト)でご提示する料金が、他社インターネット予約サイトよりお得な料金を保証する制度です。
そこで今回はそんな疑い深い方のために、ベストレート保証はほんとうに最安値なのか…という点について詳しく解説をしてみたいと思います。とにかく一番安くホテルや旅館に泊まりたい…という方は是非、参考にしてみてくださいね。
なぜホテルや旅館はベストレート保証を掲げるのか?
まず、なぜホテルや旅館は、公式サイト経由での宿泊予約に対して、ベストレート保証を掲げるのでしょうか?
これは単純な話、楽天トラベルやじゃらん、るるぶといった公式サイト経由で宿泊を予約されてしまうと、それらの運営会社に対して手数料を払わなくてはいけないため。
つまりそういったサイトを使わずに、自社で運営している公式サイトで予約をしてもらえば、その分、安くすることが出来るので、公式サイト経由で掲示している宿泊料金を最安値にしていることが多いのです。
- 楽天トラベルやるるぶ経由での予約:手数料がかかる
- 自社公式サイト経由での予約:手数料不要なのでその分安くできる
そのため、自社公式サイト経由に「ベストレート保証」という文字を掲げ、一番安い宿泊料金を表示させておくことで自社サイトに呼び込もう…というのがこのベストレート保証の正体となります(ホテルや旅館からすると最安値料金を設定しても、手数料がかからない分だけ手取りが多くなる)。
ベストレート保証はほんとうに最安なのか?
では、ベストレート保証を掲げているホテルチェーン等の宿泊料金は、ほんとうに最安に設定されているのか…というと、これはその可能性は十分に高い感じ。
しかし、100%最安かといえば実はそんなこともなく、楽天トラベルやるるぶ、じゃらん、一休などの宿泊予約サイト経由のほうが安くなることもあるのが実情…といったところでしょうか。
特に獲得ポイントや特別キャンペーン、そして期間限定の割引クーポンなどがある時は、宿泊予約サイト経由での料金のほうが安くなる可能性あり。
加えて「一休限定!」とか「JTB限定!」とか、ホテル予約サイトとタイアップしてキャンペーンを展開する場合には、公式サイトの料金よりも安くなってしまうことが多いように思います(まとめると下記のような場合)。
- 獲得ポイント:
楽天スーパーセールなどポイントが大量に獲得できるタイミングでの予約(ポイント獲得分を考慮するとベストレート以下の宿泊金額になる)
- 割引クーポン:
5,000円以上の予約で500円オフ…など、ホテル予約サイト独自の割引クーポンを使うとベストレート以下の金額になることも
- 限定タイアップ:
「楽天トラベル限定!」、「るるぶ限定プラン」などなど、ホテル予約サイトと提携をした限定キャンペーンを実施することも。
ベストレート保証ってなんなんだ?
『いやいや、そういった場合を含めても、ベストレート保証は最安値であるべきだろ?』と思うかもしれませんが、この辺はうまく作られているもの。
たとえばホテル側ではだいたい「同じ部屋で同じ日、そして朝食&夕食プランで宿泊をする場合に最安値を保証します」といった但し書きをつけているため、同条件では確かにベストレートだったりするんです(苦笑)。
実際、国内有数のホテルチェーンであるホテルモントレグループのベストレート規約を見てみると下記のような感じ。かなりいろいろな条件が合致しないと、ベストレート保証をしていないことがわかります。
■ベストレート保証条件
ベストレートの保証をお約束するにあたり、下記の条件を満たす必要がございます。
- 同一ホテル
- 同一宿泊日(到着日・出発日)
- 同一人数
- 同等のお部屋タイプ
- 同一滞在時間(チェックイン・チェックアウト時間)
- 同一精算方法
- 同一キャンセル条件
- 同一のサービスや特典内容(アメニティ内容含)
■ベストレート保証の対象外
ベストレートの保証をお約束するにあたり、下記の場合は比較対象から除外させていただきます。予めご了承ください。
- 法人契約料金など、一般には公示されていない料金
- 特定の会員組織を対象とした料金
- 宿泊以外の施設利用や交通機関、食事などを伴うパッケージ料金
- 電話でしか予約を受け付けていない等、WEBサイト上で予約が出来ない料金
- クーポン券、バウチャー、クレジットカードなどによる前払いを条件とした料金
- 旅行業者による販売(手配旅行等)など販売金額をホテルが関与できない料金
- 予約時にクレジットカード番号の入力が条件となっている料金
- オークションサイト(共同購入サイト等)の料金
- 為替レートにより変動する料金
つまり「夕方17時以降のチェックイン限定プラン!2名1室が○○円」みたいなプランを楽天トラベルやるるぶ、じゃらん等で提示すれば、公式サイトで表示している以下の宿泊料金を設定することも可能なので、前述のようにベストレート保証は確かに最安値の可能性が高いですが、必ずしも最安値であるとは限らないのです*1。
最安値の宿泊料金を探すなら:
ここまで長々と、ベストレート保証は最安値にならないことがある…ということを解説させていただきましたが、では、どうすれば一番安くホテルや旅館に宿泊することが出来るのでしょうか?
これについて個人的におすすめするのが、トリップアドバイザー等のホテル料金の一括検索サイトを使うのが一番。
試しに2017年9月13日から14日、2名1室で大阪にあるホテルモントレ大阪の宿泊料金を検索してみたところ、ホテルモントレの公式価格が13,714円なのに対し、近畿日本ツーリストが提示している価格は10,600円と3,000円以上もの差がありました。
もちろんホテルモントレ側がいうように、近畿日本ツーリストやBooking.com、るるぶトラベルが提示している宿泊料金にはきっと、公式サイト側が提示している条件とは別の条件での宿泊プランが設定されているのだとは思いますが、それでも宿泊者側である私達からしたら安いほうがいいですよね。
このように1円でも安く宿泊をしたいなら是非、公式サイト経由で予約をすれば最安値になるだろう…と盲信せず、トリップアドバイザー等のサイトを利用して最安値の比較をしてもらえればなと思います(宿泊プランの比較は下記より)。
以上、ホテルや旅館のベストレート保証は、ほんとうに最安値な宿泊料金なのか?わかりやすく、ベストレート保証が最安値にならない理由を解説…という話題でした。
参考リンク:
今回紹介したトリップアドバイザーを利用する以外にも、もっとお得にホテルや旅館に泊まりたい…という方は下記記事も参考に。宿泊費を安くするためのテクニックを多数、紹介しています。
*1:ちなみにホテルモントレグループはこういったベストレート規約を作っている時点で紳士的。多くのビジネスホテルや中小ホテル、旅館や民宿などはベストレート保証に関する規約などを作らずに、ただ「当ホテルはベストレート保証です」と書いているだけな場合も多いです(例外規定がないにもかかわらず、例外が多い)。